地獄八景亡者戯聞き比べ − 閻魔はつらいよ

 

 さて、いよいよ閻魔大王のお裁きが始まります。しかし、今日は少し予想外の展開に。

「いかに、亡者の者ども、よく承れ。これより厳しく詮議をいたし、罪の軽重を問い正すべきところなれども、本日は先代閻魔の一千年忌に当たるをもって、特別の計らい、一芸あるものは極楽へ通してつかわす。一芸あるものは申し出い。」

閻魔はこんなことを言い出しました。つまり、何か面白い芸を見せた者は、極楽へ行けるのです。この閻魔の特別サービスの理由については、ふたつの説があります。ひとつは選挙が近い。もうひとつは、若い亡者向けのショーアップです。

どこでも、選挙が近づくと、候補者はそのとき限りの人気取りをやりますね。地獄にも選挙があるらしいのです。文我によりますと、冥土には「葬儀院」と「弔辞院」の両院があり、最近は、タレント議員が幅を利かせているそうです。横山ノックの向こうを張って花菱アチャコが知事に当選しましたが、その評価は「もう無茶苦茶でござりますがな」。

もうひとつは、若い亡者からの突き上げで、お裁きをもっとショーアップしようとすることになったという説。視聴者参加番組ならぬ、亡者参加番組にしようということだそうです。

 

 昨今は、「閻魔業」も大変みたいですね。閻魔が「地獄行き」と決めても、すぐに「再審じゃ、上告じゃ」ということになります。枝雀によりますと、現在の閻魔大王も、何度か司法試験に挑戦したのですが、三遍も落ちてもう、見込みはないそうです。それで、現在は「ブレーン」を抱えています。その錚々たるメンバーたるや、大岡越前守、遠山の金さん、むっつり右ェ門、銭形平次、赤岩源蔵・・・枝雀が「むっつり右ェ門」を「むっつり助平」と言い間違えたのは、もちろんギャグなのでしょうね。赤岩源蔵、実に懐かしい。NHKの「なにわの源蔵事件帳」(一九八一年放送)の主人公、演じたのはもちろん桂枝雀ご自身です。三林京子が芸者の「駒千根」(こまちね)役でしたが、私はいつも「コマネチ」と言い間違えていました。

 そんなこんなを説明しているひとりの亡者に対して、もうひとりの亡者が言います。

「あんさん、なかなかお詳しいですね。」

「私、そこのものですよ。ぁ、どうもどうも。」

これ、京都先斗町「いずも屋」のCMです。私は何のCMかどうしても思い出せなかったのですが、高校の同級生のゴローくんが、「いずも屋」だと知らせてくれました。

 

 その他、色々な方よりの、ご教授があり、大変助かっています。ある方は、冥土の「グランド・キャバレー火の玉」のテーマソングは、十三の「キャバレー・サン」がオリジナルであることを、教えてくださいました。「雨が降ってもサンサンサン、風が吹いてもサンサンサン」というのだそうです。また、別の方は、しょうずかの婆の始めた店のモットー「能書きは申しません」は、「ディスカウントショップ・ジャパン」テレビCMキャラクターの文句だと教えてくださいました。これらのご助言は、本当に有難いものです。この駄文、書いている本人が、一体何の意味があるのだろうと時々疑問に思ってしまいますが、読者の皆様よりの反響を糧に何とか筆を進めているところです。

 

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